地表からの高度が上がるほど気温が下がるのって、あんまり自明ではないよな。主語が大きすぎるか。私にとって自明でない。
まず「宇宙の温度が低いから上空ほど気温が低い」というのは間違い。宇宙には物質がほとんどなくて、エネルギーの散逸はほぼ黒体放射のみである。日中は黒体放射によるエネルギー散逸より太陽から受けるエネルギーの方が大きいのだから、むしろ上空の方が温度が高くなっても不思議はない (追記: 地球全体としてはそうでも、大気分子だけでみると黒体放射の方が大きい可能性はあるか)。実際、温度が単純に下がるのは高度 10 km くらいまでらしい。
一般的な説明は「地上で暖められた空気が上がっていき断熱膨張するので気温が下がる」だと思う。一瞬納得しそうになるけれど、対流は密度差があろうとなかろうと温度勾配が小さくなる方向に働くのではないの? 対流が温度勾配を作るのではなく、温度勾配が対流を作る。最終的に大気全体が熱平衡状態にならないのはなぜ?