子どものとき、曲の好みを訊かれて「○○ (器楽曲) が好き」と答えたら、すごく嫌そうな顔で「暗い曲が好きなんだね」と言われたことがある。これは私にとって二つの点で衝撃だった。一つは「その曲が暗い曲に分類される」ということで、もう一つは「暗い曲は敬遠されるらしい」ということだ。
具体的に何の曲を答えたのかは覚えていないのだが、私はその曲を暗いとは捉えていなかった。実際、明るい - 暗いの軸上に分かりやすく乗るような楽曲ではなかったと思うが、一般的な基準がどこにあるか分からないという気持ちはずっとある。いまだに「暗い曲」という言い方がされるとビクッとしてしまう。