ヒトが物を持ち上げて静止しているとき、素朴な力学的意味でのエネルギー消費はないが、実際には筋肉がかなりのエネルギーを消費している。このメカニズムは単純ではなく、ちゃんと考えるには筋肉の構造に踏み込む必要がある (らしい)。
見方を変えて、モーターで駆動されるロボットのエネルギー消費はどうなっているだろうか。モーターの回転を力学的に止めると逆起電力が 0 になり、コイルを含めた回路の内部抵抗にすべての電圧がかかる。単純に電池をモーターに繋いでいるとき、回転を止めると電力消費はむしろ最大になる。
もちろんの実際のロボットは静止時に最大のエネルギーを消費するわけではない。電流に比例したトルクが発生するため、持ち上げた物を静止させるには、トルクが釣り合うところまで電圧を下げて制御することになる。