202002600 先日開発した地獄の遊びについて書こう。たまには長文 (当ページ比) を書こうと思い立っただけなので中身はない。
発端は、あるプログラムの挙動を人に伝えるためにデスクトップ画面をストリーミングしたことである。そのときはこの WebRTC のサンプルを利用したのだけれど、どうもあまりフレームレートが出ず見辛かったらしい。今考えるとこれは私が使っていた PC 側の問題なのだが、そのときは WebRTC での P2P 通信に失敗して弱い中継サーバーでも通っているのかと勘違いした。
そのときはとりあえず伝えることに成功したものの、もっといい感じにデスクトップ画面のストリーミング配信を行えるいい方法はないか調べ始めた。簡易的なお気軽スタンドアロン配信サーバープログラムをだれかが作っているかと思いきや意外と見つからない。考えてみれば相手の回線状況に応じて再エンコードなどを行わなければいけないし、簡易的なものでも作るのは大変そうである。結論としてはプライベートな配信であっても YouTube などの配信サービスを使うのが楽そうだということだった。
動画配信サービスへデスクトップ画面のストリーミングを行うプログラムは OBS Studio が定番らしい。実際に使ってみると適度にシンプルで、機能・性能・使い易さの三拍子が揃ったとてもよいプログラムだ。ウィンドウごとにキャプチャしてレイアウトを設定できる。フィルターをかけたりテキストを配置したり音声ソースを切り替えることも簡単にできる。一言でいうと VTuber がゲーム配信に使っているやつである。
せっかくなので VTuber っぽく画面端に 3D モデルのキャラクターを置き、フェイストラッキングして動かしてみた。かわいい 3D モデルと同期してキャッハウフフするなどいまさら珍しくもない。テストを兼ねて 1 時間ほど Blender でのモデリング作業を配信した (マイク無)。
YouTube Live にデータを流すと非公開であっても自動的にアーカイブが作成され、終了後すぐに動画を再視聴できる。確認がてら自分の配信を流していてふと気づく。他人のお絵かき作業配信などと同じ感覚で普通に観ていられるのである。モデリングしている最中は、細分割曲面の特異点に試行錯誤していてとても要領が悪いと感じていたけれど、いざ配信を見返してみると意外にサクサク進めているように見える。自分の作業を客観的に見直すのは思ったより面白い。
まあこれは 3D モデリング自体が仕事でも力を注いでいる趣味でもなく、片手間に取り組んでいるだけということも大きい (かけている時間は短くない気がするけれど)。要するに満足する閾値がとても低い。
そして何より画面端のキャラクターが首をかしげながら作業している感じがかわいい。バ美肉というほど大層なものでもない。使ったモデルは自作ではないし、配信時に自分の画面には表示されていないので、キャラクターを動かしているのが自分だという感覚もない。
かくして「非公開で視聴者 0 の VTuber 配信ごっこをして、自分で配信アーカイブを視聴する」という地獄の趣味が発生した。バ美肉も地獄という言葉を使っていたけれど、あれは全てを自ら創作する究極の創造的行為だし、視聴者との相互作用もある。対してこちらは生産性 0 の自分のうんこを自分で食うみたいな行為である。
まあ別に公開しておいてもいいけれど、ファイルパスとかに個人情報だだ漏れてるし、そもそも他人に見てもらいたいという欲求があるわけではないしなあ。