昔からソフトウェアに悪態をついているのを見かけると心が痛む。 Windows なんかもはや悪口しか見かけないレベルで、メジャーバージョンアップのたびに罵詈雑言が並ぶ。感じたことをそのまま書くのが悪いとは思わないけれど、おそらくほとんどの場合、開発者はその批判内容を承知の上でそうしている。一見素朴に解決できそうな問題が、実は非常に難しいことはどの分野にもある。
中でも一番悲しいのは「前の方が良かった。余計なことはせずにバグ修正だけしてろ」という内容である。それは例えば音楽家に「前の曲の方が好きだった。一生あの曲だけ演奏してろ」と言うのと同じことだ。特に長い年月をかけて作られた部分を刷新する場合、短期的に前より劣る部分が出てくるのは仕方がない。リメイクしか作らないゲーム会社に未来がないように、ソフトウェアも新たな試みを止めれば死ぬ。ソフトウェアだって人が作っている創作物である。単調に良くなっていくとは限らないし、そもそも一次元的に良し悪しを決められるものでもない。