[2009.07450] On the Hardness of Detecting Macroscopic Superpositions
すごく雑に書くと、 1 つ目の定理は「ある二状態が量子的重ね合わせか古典的重ね合わせ1かを区別する大変さは、二状態を入れ替える量子操作の大変さと同じ」ことを主張している、と思う。ここでの大変さとは量子回路計算量のこと。数学の定理としては、ふーん、という感じなのだけれど、物理的には面白い主張。面白いと思っていいのかな。
シュレディンガーの猫で巨視的量子重ね合わせが作られないというか、古典的重ね合わせと区別できない理由は、よく環境との相互作用によるデコヒーレンスで説明されると思う。環境との相互作用がなくても、量子的重ね合わせ特有の性質をみるのは、猫の生死を入れ替える操作くらい難しい、とこの定理は主張する。
純粋状態 (a |0> + b |1>)(a^* <0| + b^* <1|)
に対して混合状態 |a|^2 |0><0| + |b|^2 |1><1|
を便宜上「古典的重ね合わせ」と呼ぶことにする。