現在の日本のほとんどの地域は猫を放し飼いするのに不適で、室内飼いが奨励されることは理解できる。ただ、「野外には様々なリスクがある。放し飼いより室内飼いの方が寿命が長いから、猫は室内飼いの方が幸せ」とか「最初から室内飼いなら環境に不満を持つことはない。猫は室内だけでも幸せ」という説明を見ると、そりゃヒトでも同じではないかと思ってしまう。ヒトだって適度に運動していれば室内だけで暮らした方が病気や事故のリスクは減る。外の世界があることを知らずに一生を終えれば、外に出られないことに不満を持つこともない。
他人の庭に糞尿をして迷惑をかける、というのもなんだかなあと思う。土地の区画は当然ながら人間同士の取り決めであって、他の動物には関係ない。地球に住んでいるのは人類だけではないのだから、小動物の糞尿くらい許容する心を持つべきではないかなあ。人を襲うわけでも農作物に大きな被害をもたらすわけでもない。
別に室内飼いの奨励を否定する意図はない。今の日本の環境では室内飼いが妥当だけれど、それは猫にとって最高の環境だからではなく、単に人間側の都合だよね、という。もちろんペットを飼うこと自体が人間の都合で、動物に何らかの不自由を強いる行為なのだけれど。