日本に住んでいると、空調が完全にコントロールされていて窓のない部屋に閉じこめられている状況でもない限り、一年の移り変わりを感じないことはまずない。一日の周期と同じくらい、一年の周期も自然に体感する。
ふと赤道直下に住んでいる人の感覚が気になった。常夏といっても、昼夜の長さや気温変化がないだけで太陽の位置や星空は変わるし、ほとんどの地域では気候の変化も少しある。もちろん現代では「自然環境の一年周期」より「社会環境の一年周期」の方が生活におよぼす影響はずっと大きい。それでも感覚の差はあると思うのだよな。
考えてみると、季節がある地域で農林漁業などにかかわる人以外が、社会の周期を地球の公転周期に合わせる必然性はない。学校が 0.73 年周期だってかまわないし、そもそも一年に相当するような長い周期自体が生活上必須でない気もする。季節変化が少ない地域で、伝統的に一年周期に縛られない文化があっても不思議はない。