油は水に溶けないというが、ではどれくらい溶けないのか。風呂に浸かっていれば油汚れも少しは落ちる。高温のお湯を使う食洗機では、洗剤を入れなくても十分に汚れが落ちると聞く。日常で体感できる程度に溶けているような気がするけれど、これは化学的な溶解ではないかもしれない。
有機化学なんも分からんが、動物・植物由来の脂質の多くはトリアシルグリセロールという種類らしい。水への溶解度は結合している脂肪酸 (CH3-(CH2)n-COOH
みたいなやつ。直鎖とは限らない) によって大きく変わる。
溶解度は脂肪酸の鎖が長くなると急速に減少し、 n = 6
で 10^-3
を切る。自然界に存在するトリアシルグリセロールの多くはもっと長いらしく、一言で不溶といわれるのもうなずける。意外にも水の温度依存性は著しくない。お湯で油汚れを落とせるのは、溶解が理由ではないのかもしれない。