てがみ: qatacri at protonmail.com | 統計 | 2021

202127902

「この曲の歌詞が好き」という話を見聞きすると、内心ちょっと驚く。私は意識しないと音楽のボーカル部分を言葉として認識できない。好きで何度も聴いている曲でも、「パートの終わりの伸びている語尾の母音をかろうじて思い出せる」くらいの認識率しかないことが多い。

正確にはたぶん「(音|音楽)として認識する」と「言語として認識する」を同時に行う能力がない。歌詞を意識すると今度は音楽が崩壊する。二通りに見えるだまし絵のように、そのスイッチは自分で完全にコントロールできるわけではないので、歌詞は難儀な存在である。

とはいっても、純粋な音として認識される言葉には魅力がある。歌詞がなければいいというものでもない。たまにある意味不明な歌詞はこのあたりを追求した結果だと勝手に思っているのだけれど、はてさて。