Russian Roulette (以下 RR) は素朴に考えると効率や誤差の面で利点がないように思える。たとえば漸化式
f[n+1] = 1 + r f[n] (r: const, r < 1),
の極限を求めることを考える。単純に有限回反復計算した場合、漸化式の評価回数 N
に対して誤差は r^N
と指数的に減少する。次にこれを確率 1 - r
で teminate する RR で評価する。漸化式の評価回数が N
になるまでサンプルを貯めると、誤差 (RMSE) は
(1 / √N) (√r / (1 - r))
になる (202210004: 計算ミス修正)。まあ真面目に計算しなくても O(1/√N)
で反復計算に劣るのは自明である。はて。
と、書いていて分かった。実際のモンテカルロ計算では RR が唯一の統計誤差を持ち込む要素ではなく、漸化式の 1
の部分にも統計誤差がある。その場合には反復計算で誤差は指数的に減少しない。冷静に考えるとすごく当たり前だ…。