てがみ: qatacri at protonmail.com | 統計 | 2022

202210003

Russian Roulette (以下 RR) は素朴に考えると効率や誤差の面で利点がないように思える。たとえば漸化式

f[n+1] = 1 + r f[n]  (r: const, r < 1),

の極限を求めることを考える。単純に有限回反復計算した場合、漸化式の評価回数 N に対して誤差は r^N と指数的に減少する。次にこれを確率 1 - r で teminate する RR で評価する。漸化式の評価回数が N になるまでサンプルを貯めると、誤差 (RMSE) は

(1 / √N) (√r / (1 - r))

になる (202210004: 計算ミス修正)。まあ真面目に計算しなくても O(1/√N) で反復計算に劣るのは自明である。はて。

と、書いていて分かった。実際のモンテカルロ計算では RR が唯一の統計誤差を持ち込む要素ではなく、漸化式の 1 の部分にも統計誤差がある。その場合には反復計算で誤差は指数的に減少しない。冷静に考えるとすごく当たり前だ…。