父は電気電子工学科の出身で、一番奥の部屋に大学時代に使った教科書が残されていた。小学生のとき私はそれをずっと読ん…眺めていた。小学生でもデジタル回路はある程度理解できる。 AND, OR, NOT ゲートの動作はシンプルだし、フリップフロップなどを除いて処理も一方向に進む。それらを組み合わせて CPU のような高度な処理を行う回路が作れることも理解できる。一方、アナログ回路の教科書を読むには予備知識がまったく足りない。回路図を眺めながら挙動を想像するのが精一杯だったし、いま考えるとそれすら大きく間違っていた。
だから私は未だにデジタルよりアナログの方がハイテクなイメージを持っていたりする。アナログ回路は面白い。「アナログ」が古いものの代名詞として使われていると、少しだけ悲しい気持ちになる。