ねずみ講はよく「会員数が指数的に増大し、あっというまに地球の人口を超えて破綻する。儲かるのは最初の一部世代だけである」と説明される。この説明には言葉が少し足りないと思っていて、「まだ周りに勧誘を受けた人がいない状況なら、自分は利益を得られる世代である」と考えてもおかしくない。実際にはそのような状況でも利益を得る人はほとんどいない。なぜか。
全人類が十分に合理的な行動をすると仮定すると、「残りの全人類が会員になっても利益が得られない世代は会員にならない」→「そのひと世代前も利益が得られないため会員にならない」→…と、そもそも誰も会員にならない。本来は第 0 世代であっても儲からないシステムである。