たとえば、アコギで左指が弦と擦れる「キュイッ」という音がときにいい味を出したりする。極端な話だが、こういう例にまで一貫した説明をつける音楽の理論というのは現実的ではない。
ヒトの感性は進化の過程で手に入れた様々な能力の副産物みたいなもので、音楽はそれに対するハッキング行為だ。自然科学の理論のように、根底に一貫した原理や法則があってそれから全てが導かれる、といった可能性は低い。真に音楽を追求したいのなら、自分の感性を信じて突き進むしかないんだろう。
しかし悲しいかな、そんな鋭い感性を持ち合せていない凡人は理論の助けを借りる必要がある。それがひどく不完全なものであったとしても、先人の英知の集大成であることに違いはないのだ。
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